Bitter&Sweet
お兄ちゃんは
小さな子どもみたいに
私に抱きしめられ
「初めて姫を抱いた夜も
あの家で初めての夜も
雷が鳴ってた
姫は雷をすごく怖がって
オレに抱き着いてくれるから
……雷を鳴らしてるのは
神さまで…
神さまが雷を鳴らしてる時は
姫を抱いていいよって
許してくれてると思ってた」
でもってお兄ちゃんは言って
「でも、違うんだな
神さまはオレを許してはくれない
一度だって許してくれない
そんな、意地悪な神さまを
雨雲が……雷雲が
目隠ししてくれるんだ
許してくれてたのは雨で雷で
神さまは許してなんか
くれないんだ」
罪を
神さまは
罪を許してなんかくれない
だから、黒い雲が
神さまを目隠ししてくれる時に
オレは姫を愛することができる
お兄ちゃんはそう呟いた
そして ゆっくり
顔を上げて
私の目を見つめ
「それでもオレは
姫と一緒にいたい
オレには、それしかない
片時も離したくないんだ
許されないことは
わかってる
姫、姫はオレのこと………」
そっと お兄ちゃんの頬を包み
「どんな罰があたるかな?」
まだ、どうしようもなく怖い
罪悪感は消えない
だけど同じくらい
もう わかってる
離れられないことも――――