吸血鬼と紅き石
第六章

レンバルト

(何だか、疲れてる)

石を見付けてからレンバルトとは、会話らしい会話をしていない。

(あの石は何?)

聞くのが…正確には彼の返事が怖くて、どうしても逃げてしまう。

あの石だって、まだ手元に持ったままだ。

先程彼の居城へと帰還したレンバルト。

相変わらず、どこへ行っているのか分からないけど。

遠目に見た顔色が、少し悪いように見えた。

(どうしたんだろう)

気になるけど、気にしちゃいけない。

だって、どうしたら良いのか分からない。

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