Sで俺様な彼氏
「こっち向いて、音羽」
私は首を横に振った。
「音羽。こっち向いて」
そんな声で言わないでよ。
ゆっくりと顔を上に上げて見るとさっきよりも近くに奏はいた。
顔を反らそうとしたとき
「ちゅっ」
小さな音が観覧車の個室の中に響いた。
え……
「んっ…そ、う…はぁ」
「音羽ごめん!」
唇を離したとたんに奏は私に頭を下げて謝った。
「ううんいいよ。何かいやじゃなかったから…」
私何言って…
言ったことを後悔しはじめたとき奏は優しく笑って
「もう一回していい?」
うなずく私。
さっきよりも深いキスだった。
「んっ…っ…あ」
「音羽すっげぇかわいい」
その言葉に赤面したけどそんなことを考えられるほどの余裕はなかった。