アオイハル
「好きな人、できたの!?」



私の言葉に、梨香が慌てる。



「そんな大きな声で好きな人できたって、言わないで~!」



どう考えても、梨香の方が大きい声を出している。



「ねぇ、誰?」



声を落としながら尋ねると



「手の届かない人だもん…。

聖愛さんは教えてくれないのに、私だけ言うの?」



また上目づかいをして、梨香が言う。



だから、使いどころを間違えてるってば…。



「聖愛さんが教えてくれるって約束してくれるなら、私も言う。」



寧ろ、梨香は言いたくてウズウズしてる気がするんだけど…。



「わ…分かった。

私もちゃんと言うから、ね?」



梨香は頷くと、口を開く。



「私の好きな人、学校の先生なの。」



これはまた、ハードルを上げたものだわ…。



「一体、いくつ違うの!?」



「う…、まだ新任の先生だから7歳…かな?

だ、だけど好きになったって良いじゃない?」



悪くはないけど、叶えるのは難しい気がする。



「ところで、聖愛さんは?」



「えっと…、紫宝院の若様。」



予想通りというか、梨香が絶句した。



ウチと紫宝院の仲の悪さは、それだけ有名な話だ。



「それって、聖愛さんが葛城の娘だって…。」



「言えるわけないじゃない、知られたら終わりよ!」



「そうだけど…。」



梨香は、凄く難しそうな顔をした。





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