恋戦(コイイクサ)
やっぱり抵抗はあったが、もうここまで来てしまえば今更後戻りする事も出来ず、私は言われるままにまた手を伸ばす。

今度は掌で撫でるように腕に触れてみたが、今まで男の子に触れた事なんて殆どない所為か、意味もなくドキドキとし逆上せそうになった。

二度三度撫でるように触れ、恥ずかしさから直ぐに手を引っ込める。

そして顔が熱くなったのは、緊張した所為だと自分に納得させた。

「…もう、良い?」

秋武くんは私が触れた箇所と、新堂くんの顔を交互に見ている。

瑠璃はまるで秋武くんの反応を確認するかのように、その視線を新堂くんの腕と秋武くんの顔の間を忙しなく動かしていた。

「……どうだ?新堂」

「………」

「………」

「………」

「………」

「…大丈夫、そう……」

秋武くんの問い掛けに、思いっきり間を空けて答えた新堂くんは、何故か安堵の表情を浮かべていた。




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