恋戦(コイイクサ)
「そっ。じゃあ、今度は瑠璃ね」

にっこりと笑った秋武くんに「えっ!?」と声を出す新堂くん。

「無理…」

新堂くんは心底嫌そうな反応をする。

「それじゃあ莉寿ちゃんが納得出来ないだろ?」

「………」

押し黙る新堂くんがなんだか可哀想に見えた。

でも今の状況が全く理解出来ない私は、口を出す事も出来ず、ただその様子を見守るしか出来なかった。

……だけど瑠璃は違った。

新堂くんが不機嫌であっても、気にならないのかもしれない。

ひょっとしたら空気を読めないのかもしれない。

「はい!!」と瑠璃は元気よく声を上げると、新堂くんの腕を掴んだ。

私たちは瑠璃の突然の行動に驚き、目を大きくする。

そして、両手でガッチリと掴まれた腕に視線を落とした新堂くんは、その顔色をみるみるうちに変えていったのだった。



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