恋戦(コイイクサ)
「あのー……大丈夫?」

私の問い掛けにも反応を示さない新堂くんは、身体を動かす事も出来ないのか、微動だにせず固まっている。

顔は青ざめ額からは脂汗なのだろうか、さっきまではなかった汗が浮かんでいた。

「る、瑠璃。もう離して」

少し焦ったように秋武くんはガッチリと掴んで離さない瑠璃の掌を、やんわりと引き離した。

「新堂?大丈夫か?」

息すらも止めていたのか、新堂くんは瑠璃が離れた途端に荒い息遣いを繰り返す。

私は肩で息をする新堂くんの腕を見て驚いた。

「な、何?これ…」

瑠璃に掴まれていた腕は赤くなり、ブツブツと湿疹ができている。

それを痒そうに、爪を立てて掻き毟ろうとする新堂くんの手を、秋武くんが止めていた。



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