恋戦(コイイクサ)
「ほんと男前だねー」

佳世ちゃんは、新堂くんの体に触れてしまいそうなぐらい近くによって、俯いている新堂くんの顔を下から覗き込んだ。

「だっ駄目!!」

言葉と同時に私の体が動いていた。

二人の体が触れてしまうんじゃないかと思い、新堂くんと佳世ちゃんの隙間に自分の体をねじ込む。

気付いた時には、私は新堂くんにしがみ付いていた。

「誰も莉寿の彼氏取ったりしないよ」

フフッと佳世ちゃんは笑う。

ドキドキと煩いのは、私の心臓なのか。

それとも新堂くんのものなのか。

それも分からないぐらいに、私は動転していた。

「仲良いんだね」

ほのぼのとした口調の佳世ちゃんとは反対に、私の口からは「ち、違う」掠れた声が出ただけだった。

その声も佳世ちゃんに届いているのかどうかは、分からないが。



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