恋戦(コイイクサ)
どういう心境の変化なのだろうか。

それとも、ただ“私”に慣れただけなのか。

躊躇いながら、差し出された手に触れた時、私の心臓はその律動を乱した。

「もう、大丈夫なの?」

一瞬だけ新堂くんと視線を合わせたが、すぐに繋いだ手に戻した。

「莉寿は大丈夫」

乱れてしまった鼓動はなかなか元通りには戻らず、暴動をおこす。

「…そっか」


耳が熱い…。


「瑠璃と秋武くんは?」

「駅前のファミレスで待ち合わせ」

新堂くんは、私を手を繋いでも全然平気なんだ…。

動揺する私とは違って、見上げた新堂くんの顔は落ち着いたものだった。

「じゃあ、早く行こ!」

私は新堂くんを引っ張るように、駅へと向かった。




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