恋戦(コイイクサ)
何処に連れて行かれるのか、それは直ぐに分かった。

教室を出て、隣の教室のドアからひょっこりと顔を出し、私たちは中を覗きこむ。

昼休みの賑やかな教室。

友だちを話している人、本を読んでる人、机に突っ伏している人。

色んな人がいるが私は目的の人物、新堂薫を直ぐに見つける事が出来た。

「…アレ?」

人をアレ呼ばわりするのも、人を指差すのも非常に失礼な事だが、私はそんな事気にしてられなかった。

「そう、アレ」

「何アレ?」

「……女嫌いだからじゃない?」

「………」



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