恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
三学期最後のHRが終わり私は体育館に向かった。
体育館の階段を登り準備室を見渡すが誰もいなかった。
おそらく職員室にでもいるのだろう。
また階段を降りて体育館の入り口の目立たない所に腰を下ろした。
ここにくる前莉子とシュミレーションをしたのを思い出す。
鞄の中にはいつか渡そうと思っていた御守りを忍ばせ、待ってる間何度も手に取っては眺めていた。
先生遅いなぁ…
他の先生達は準備室に立ち寄りすでに帰ってしまい、先生だけがまだ来ない。
緊張して待っていたのに今じゃそんな気持ち一つもなく段々睡魔が襲ってきた。
昨日は緊張して眠れなかったから一層増して眠い。
徐々に瞼が落ちてくるのが分かる。
だめ…
寝ちゃだめ…