恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
三章 現在進行形
抑えられぬ気持ち
先生と再会してしまった夜勤明け、家に着きベッドに仰向けに倒れる。
このホテルで最も長い一日だった。
今日の事を回想する。
と言うか嫌でも思い出してしまう。
こんな偶然あるのだろうか?
「忘れた頃にやって来る」まさにこの事だ。
あれから7年・・・
当時先生は新卒だったから今は30歳。
でもあの頃とほとんど変わってなかった。
変わったと言えば、笑った時の目尻のしわが少し増えたかな。
またあの笑顔が見れるなんて思っても見なかった。
「嬉しい」と「驚き」と「戸惑い」が混ざって私の頭の中をグルグルさせる。
そして潜めていた感情が溢れ出る。
「好きだった」から
「好き」に変わる。
「好き」と認めたくない感情よりも「好き」の感情が大きく占領する。
「あの時の私」と「今の私」がリンクする。
その晩は複雑な「好き」と言う感情を抱きながら、深い眠りに着く事が出来なかった。