恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
「ふぁぁ~・・・」
ホテルの従業員ロッカーの前でであくびをする。
「何?小春があくびなんて珍しいじゃん?」
「あ、保谷さんおはようございます。」
振り返りいつもの笑顔をする。
保谷さんはいつも以上に元気な様子だった。
保谷さんはロッカーの鏡を見て顔をチェックする。
「ううーん、今日はちょっと化粧濃すぎだったかなぁ?どう小春?」
顔を見ると少々濃い気が。
「そうですか?ってか保谷さんいい事あったんですか?」
「えっ♪バレた~??」
保谷さんは分かりやすい。
服装や髪形、化粧などに表れる。
「この間の結婚式でさぁ~・・・っと昼休みに話すわっ」
結婚式・・・とは先生と再会した時の結婚式の事で。
私の心は敏感で、一瞬動作が止まってしまった。
制服に着替えるが最後の襟元のリボンが上手く付けられない。
動揺して少し手が震えるせい。
「楽しみにしていますね。」
私は、気を持ち直してほほ笑んだ。
心の中では
先生以外の事だったらと願った。