恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~


昼休みはホテル近くのカフェに保谷さんと2人で行った。


いつもは社員食堂だけど、こういうプライベートの話の時は食堂だと筒抜けになってしまうのでここのカフェに来る事が多い。



「マスター!」

保谷さんは手を挙げてマスターを呼ぶ。


「おっ、今日は保谷ちゃんと小春ちゃんかー。」

マスターは気さくな中年男性。


「また来ちゃったよ♪オムライス2つね~。」


「了ー解♪ お~い!シンジ、オムライス2つ」

マスターは厨房に向かって「シンジ」さんに言う。


それを聞いたシンジさんが厨房から顔を出して笑顔で親指を立てた。


シンジさんは昼は厨房、夜はここのバーテンダーとして働いている。

本業はバーテンダーだそうで何度かバーテンダーの大会に出ているらしい。

しかも女泣かせのモテイケメン。

保谷さんも初めはシンジさんに少し気があったらしいみたい。



< 140 / 144 >

この作品をシェア

pagetop