恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~

「ねぇ先生?」


「・・・ん」


あれ・・・?

何だか元気ない?

ってか私と目を合わせてくれない。


先生は首にかけていたタオルを顔に被せた。


「先生、・・・これが終わったらジュースおごって。」


会話なんて何でも良かった。

少しでもいいから繋がりが欲しいの。



先生はタオルを被ったまま言った。


「もう、おごってもらっただろ?」




「誰に?」






その時、探していた大谷先輩が向かってきた。


先輩は昨日の事があってか少しよそよそしい。


そこで思い出した。


”もう、おごってもらっただろ?”


大谷先輩の事だ!!



先生もう知ってるんだ・・・

知られたくなかったよ。





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