夢みる蝶は遊飛する
その瞬間、激痛が膝を襲い、私はコートに倒れ込んだ。
私が放ったボールは、リングに弾かれて床に落ちた。
けたたましいブザーが、空気を切り裂いた。
結局私は、表彰式に出ることなく病院に運ばれた。
膝の骨は変形して、ひどい炎症を起こしていた。
手術をして、一年以上かけてリハビリをしたとしても、元のようにバスケはできないと言われた。
日常生活と、せいぜい体育の授業程度の運動しかできるようにはならない、と。
結局、手術をしてもしなくてもあまり変わらないと言われ、私は手術をするという選択肢を捨てた。
それと同時に、バスケという夢と希望も、捨てた。
父は、『お前はもう必要ない』という言葉を私に吐いた。
私を罵って、罵って、そして。
何日間かの入院生活を終えて家に帰ると、父はいなかった。
私に失望して出ていったのだと、母に泣きながら言われた。