夢みる蝶は遊飛する
ほっとして息を吐くのが、二人重なった。
「綺麗にできたね!」
「クリーム絞るの緊張したわー」
沙世と私の合作で完成したそれを前に、私たちは飛び跳ねる勢いではしゃいだ。
合作といっても、沙世が8割ほどの工程を行っていたし、私が役に立っていたかは甚だ疑問なのだけれど。
「でもね、沙世。ひとつ言ってもいいかな」
私は笑顔を崩さずに、あくまで軽くそう言った。
「なに?」
「Merry Christmasのつづりが違うの」
「・・・・・・あ」
『Merry Cristmas!!』と書かれたプレートが鎮座したケーキを凝視して、沙世は三十秒間動きを止めた。