旦那様は社長 *②巻*
「『妻の光姫です』って紹介してもらいたいかなぁー…オレなら」
藤堂さんの言葉の意味を教えてくれたのは一條社長だった。
「光姫さん。有栖川社長にとって光姫さんは、自慢して歩きたいほどの妻。さっきの告白もそうですよね」
「そんな……」
「きっと有栖川社長は、どんな時も光姫さんに“妻”でいてもらいたいんじゃないですか?」
「……え?」
「オレなら美海に、いつも妻で、ただの女でいてほしいと思いますよ。……あっ、もちろん自分の側にいる時だけですけど」
一條社長は自然な動きで、優しく美海さんを胸に引き寄せた。
美海さんもとても幸せそうに微笑みながら、一條社長の腕に手を絡める。
その自然な空気を、2人一緒に作り出せる一條夫妻がとても羨ましい。
この2人はもう、お互いを分かりあっている。
きっと、こうして分かりあえるようになるまで、色んな歴史を積み重ねてきたんだと思う。
苦しも悲しみもあったはず。
だけどそれを2人で乗り越えてきたから、今こうして幸せなオーラが滲み出ているんだ。
「コレ、夫婦円満の秘訣ですよ?」
コソッとあたしにだけ聞こえるように美海さんが教えてくれた。