旦那様は社長 *②巻*
夫婦円満……。
やっぱりこの夫婦、何か勘づいてる……?
一條社長といい、美海さんといい、言ってることが全部今のあたしたちにフィットする。
こんな偶然ってあるの?
おかげで、さっきから変なドキドキが止まらない。
「光姫さん。女同士でヒミツのお話しません?」
「ヒミツ!?」
「ふふ。ガールズトークしましょうよ。お互い旦那様には内緒で」
美海さんは答えを聞くより先に、あたしの手を掴みどんどん行動に移した。
「有栖川社長。大事な奥様、お借りしますね」
「えっ…あ…はい……」
「海里。じゃあちょっと抜けさせてもらうね」
「ああ。ナンパするなよ?」
「しませんよーだ!!」
そしてあたしはと言うと。
あっという間にホテルの最上階にある『Cafe&Bar』に連れてこられた。
「ここのケーキ、すごく美味しいの」
「え?あ…そうなんですね…」
「……光姫さん。もしかして迷惑だった?」
「え?まさか!嬉しいですよ!?お話してみたいって思ってました」
「よかったー…じゃあ敬語ナシで!同い年でしょう?」
「ふっ…美海さん面白い」
「えっ、どこが!?あたしけっこうつまんない人間よ!?」
ムキになる美海さんがすごく可愛いくて、自然と笑みが零れた。
これがあたしたちの出逢い。
この出逢いが、とてもかけがえのないものになることを、この時のあたしはまだ気づいていなかった。