旦那様は社長 *②巻*
「あっ。光姫さん、何か飲まない?真っ昼間だけどパーティーだし、お酒とか飲んじゃわない?」
「え?あ……あたしはグレープフルーツジュースで……」
「え?」
ウェイターを呼ぼうと手をあげた美海さんが、驚いた顔をして振り向いた。
マジマジとあたしを見つめながら、視線を足元に移す。
今日のあたしはローヒールで、身体に負担をかけないようにしている。
そこで美海さんは気づいたらしい。
「やだッ。光姫さん、おめでたなの!?」
「ええ、実は」
「さっきでも言ってくれればよかったのに!!」
「まだ安定気じゃないから……有栖川家にも内緒にしてもらってるの」
そっとお腹に触れながら、内緒にしている理由を説明した。
「そっか。すごいわね……有栖川会長」
あたしたちの結婚の経緯、年内曾孫宣言、会長の幾つもの武勇伝を聞いて、美海さんはかなり引いていた気がする。
美海さんも元々財閥のお嬢様。
だけどそのお嬢様も絶句してしまうということは、やっぱり会長の言動は『金持ちの常識』……というわけではないらしい。
「それにしても光姫さんの旦那様、本当にあなたのことが大切なのね」