旦那様は社長 *②巻*
一條社長の男としての器の大きさと、旦那様としての愛情の深さを感じた。
「あたしも敬吾のこと、ちゃんと話そうかな。これからも同じ職場で顔あわせるわけだし……」
過去を全部さらけ出す必要なんてないって、今でも思ってる。
知らない方がいいことだってあると思う。
だけど、敬吾の場合はもうそんなことを言っているレベルじゃないのかもしれない。
元婚約者で、副社長の秘書。
あたしたちの身近にいる存在になってしまったから。
「そうね。そんなに近くにいるのなら、何かの弾みで知られてしまうかもしれない。そうしたらきっと、旦那様は傷つくと思うわ」
「隠さなきゃいけない過去じゃない。……本気で向き合った人だもん。堂々と伝えていいよね?」
「もちろん。過去のおかげで今の光姫さんがいるんだから。本気の恋だったって堂々と言ってやればいいのよ!!」
「うーん……それじゃあ悠河、ヤキモチやいちゃうかも」
美海さんは一瞬何かを頭に思い浮かべたようで、すぐに「ふっ」と笑った。
きっと、ヤキモチやいた悠河でも想像したんだ。
「じゃあこう言えば?『本気だったけど、最後の恋じゃなかった』って」
「え?」
「『あなたがあたしの最後の恋』……って言っちゃう?」
あなたがあたしの……
「ええッ!?」