旦那様は社長 *②巻*
そんなこと、このあたしが言えるはずがない!!
美海さんなら、普通の会話の中で何の違和感もなくサラッと言えちゃうかもしれないけど。
どう考えたって、あたしは……
「無理無理ッ!絶対に無理だから!!」
「えー?そんなことないと思うけど。……普段口に出せない気持ちって、たまには伝えた方がいいわよ?」
「だけど恥ずかしいし、第一あたしのキャラじゃないの!!」
「絶対に効果覿面なのに……あッ、そうだ!!」
美海さんは急に何かを思いついたらしく、ポンと手を叩いてニッコリ微笑んだ。
「え……」
一瞬、ゾクッと悪寒が走ったのは気のせいだろうか。
「シチュエーションが大事だもんね?本音で語り合うには」
「え、シチュエーション?」
意味が分からず、頭の中でグルグル考え込んでいると、携帯を取り出して美海さんがどこかへ電話をかけ始めた。
「大丈夫。あたしに任せて?」
美海さんのその微笑みの意味を知るのは、パーティーが終わる直前だった。
長い間の悠河とのすれ違い。
それを終わらせる唯一のチャンスが、今巡ってこようとしている。