旦那様は社長 *②巻*
それは十分分かっている。
アイツはオレの幸せを守るために必死だということも、光姫のことを心から認めていることも。
有り難いと思っているさ。
だけど……
「これからビジネスパートナーになる相手に、みっともないプライベートまでさらけ出すなんて……」
「いいんじゃないですか?別に」
「え?」
「これからビジネスの上で運命共同体になるわけですから。お互い何もかもさらけ出して信頼を深めた方が、いい仕事もできるような気がしますが?」
「そんなもんですかね……」
「ええ。少なくとも自分は、人間性の疑わしい相手とは仕事をしたくありませんから」
「……なるほど」
言われてみれば確かにそうだ。
一條財閥とのパートナーシップでは、今までとは桁違いの金が動く。
安易に事を進められないのは当たり前だ。
「それで?私の人間性は認められたんでしょうか?」
「そりゃー……奥様と何があったのか教えて頂けないと、何とも……」
その顔は明らかに笑っている。
「あなたとは気が合いそうだ、一條社長」
「それは光栄です、有栖川社長」
しばし見つめあった後、お互い吹き出して一気に和やかな空気に変わった。
「あなたとは初めてお会いした時から同じ匂いがすると思っていました」
「ほう……」
「で?何があったんですか?奥様と」
「直球ですね……」
「回りくどいことはキライなもので」
「……奥様の昔の男が……突然目の前に現れたら……どうしますか?」