旦那様は社長 *②巻*
最後の言葉はきっと、『同志』としての助言。
「『男』ですね、本当に。今日はあなたに惚れましたよ」
「はは。すみません、その気持ちには応えられないな。妻一筋なもので」
「……それはお互い様です」
今度は2人して大笑いし、会場中を再び釘付けにした。
だけどもう、恥ずかしさはどこにもない。
見たいなら見ろ。
笑いたいなら笑え。
オレたちは、究極の愛妻家。
なぜか、今はそんな自分を誇りに思える。
今日はマンションに帰ろう。
光姫のいる場所が、オレの家。
帰ったら優しく、でも力いっぱい光姫を抱きしめて、愛情いっぱいのキスをしたい。
そして言おう。
ずっと避けていた理由を。
何を聞いても、光姫の全てを受け入れよう。
光姫が側にいる限り、オレは誰よりも幸せでいられるから。
これからゆっくり、今夜話すことを頭で整理しようと思っていたら、突然一條社長の携帯が鳴った。
「ちょっと失礼」
相手が誰かは分からなかったが、彼が時折こちらを見ながら笑っている顔が気になった。
……なんだ?
「よしッ。任せろ!!」
力強い決意の言葉と共に通話が終わると、彼が明らかに何かを企んでいる顔つきに変わり、向き直った。
「……え」
ものすごくイヤな予感がする。