旦那様は社長 *②巻*
不意に隣に座る社長に
目をやると。


「……っ?!」


社長があたしから顔を背けながら、必死に笑いを堪えてる姿が目に入った。


なっーー!!



目の前にはいつまでも
笑い転げる会長。


横を見れば
笑いを堪えきれない社長。



コイツら……

ぜったいに遺伝だーー。



社長はいつも否定
するけど。



やっぱり似てるんだよ。
会長と社長って。


特に……
“エロ”なトコとかね。



「あの…それで会長?ご用件は何でしょうか?社長は15時から会議が入っておりますので…」


あたしはわざとらしく
手帳を広げながら、この緩みきった空気を断ち切った。



だって。

気分悪いじゃない。

…笑いのネタがあたしだなんて。



すると会長は

「おお。忘れておった。これを光姫さんに渡そうと思ってな…」

と言いながら、秘書に持たせた鞄を手繰り寄せ、ゴソゴソと何かを探した。


「おっ!あったあった。これじゃこれじゃ」



スッとあたしの目の前に差し出されたモノ。



それはーー…



「ま…巻物…?」



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