クール王子
「―――――レジス様……――」
すると近くから話し声が聞こえた。
レジスという言葉を耳にして思わず足を止めると
少し行った所で待女達が集まって何やら話し込んでいるのが見えた。
「何をやっているのでしょう?」
タスクの問いにさぁ、とだけつげて待女達を見た。
待女達は未だにセシルには気付かずみなで話し込んでいる。
「レジス様が?!それ本当なの?」
一人の待女の言葉に思わず耳を傾けてしまう。
「えぇ。本当よ。だってさっきトウリ様がレジス様の側室について話していたのを偶然聞いたわ」
それを聞いてセシルは頭が真っ白になった。
トウリ様とはレジスの実の父親、
その人がレジスの側室の話を……?
「それがその側室ってのが少し離れた所にある国のすごく綺麗な姫様だって噂だよ」
待女達の話は嫌でも耳に入ってくる。
………ッ
そんな…側室だなんて…
私聞いてない…。
どんどん顔色が悪くなるセシルを見て慌てるタスク、
「そっ、側室だなんて…ただの噂ですよっ」