聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 
 ドキッ

 その手が触れた瞬間、その温かさに心臓が跳ねた。


「折角のお前との夏休み。お前と過ごす時間が減るのは嫌だし」

「っ!?」

 その瞬間わたしの顔はカッと赤くなる。

「ぅえっ、そのっ」

 何て答えればいいのか分からずどもっていると、優姫先輩はクスリと笑ってそっとわたしを抱きしめた。


「小都子……可愛いな……」

「っっっ!!?」



「おーい! 優貴どこにいるんだー?」

 抱きしめられて、顔を真っ赤にして動けないでいると、遠くから翔子先輩の声が聞こえてきた。


「……残念」

 優姫先輩はそう呟くと、わたしから離れる。

 そして「じゃあ後でな!」と言い残し、翔子先輩の声の方へと去って行った。

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