聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「おおっと」

 でも呉羽先生は左手を高々と上げ、わたしの届かない場所に携帯を持っていった。


 しかも開いている右手でわたしの両腕を器用に掴み、頭の上で一まとめにする形でわたしを壁に押し付ける。



「フン、思っていたよりじゃじゃ馬だな。乗りこなすのが大変そうだ」

 楽しそうにそう言った呉羽先生は携帯を白衣のポケットにしまい、その手でわたしの顎を捕らえる。


 そして上向かされまた唇を奪われた。


「んんぅっ」

 抵抗を試(こころ)みても、わたしを押さえつける腕の力は緩むこともない。


 抵抗らしい抵抗も出来ぬまま、呉羽先生の舌の進入を許してしまった。

 クチュ、といやらしい音を立ててわたしの舌はもてあそばれる。


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