硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
日和は、
視線をそのままにいた。
静かに佇む。



「七海さん」


「ん?」


「もう一つ、質問」


「ん?なんだい?」


いつもと雰囲気の違う日和を察しながらも、
龍星は、
いつもと変わらず耳を傾けた。



「…いや…質問じゃないな…、
お願いがある」


「何かな」


日和は、

意を決して言った。




「七海さん、
…、


私を抱いてください」



静かに言った日和に、

予想外の言葉を言った日和を

龍星は、驚きながら、

まっすぐに見つめた。


そして、

重々しく 尋ねる。


< 93 / 156 >

この作品をシェア

pagetop