君のとなり。
「なー、田中明日香と英介、
どーなったんだろうな?」
体育館の横でサボっている祐人の耳に
ほかのクラスの男子の会話が入ってきた。
ほかのクラスまで広がってんのかよ。
・・・・・オレカッコ悪・・・
「はー」とタメ息をついてごろんと
横を向く。
「付き合うんかな」
「じゃねぇ?あの英介から告られて
断るとかないだろー」
・・・・・・そーなのか・・?!
祐人はガバッと起き上った。
「っつーか、田中サンもかわいいよな」
「思ったソレ!!」
・・・む。なんだと・・!!?
オレに腹パンチしたのにか!!
「なんか、祐人に腹パンチしたらしい
けど、そこも元気でイイ!!」
「あはは、確かにー」
・・オマエ等はマゾかぁぁぁぁぁ!!!
オレが殴るぞコノヤロー!!!!
「・・・・・」
ひとしきり男子たちを心の中で威嚇
した祐人は、再び寝転んだ。
あー・・・イライラする・・・
「・・どーすれば、よかったんかな」
ポソっと、つぶやいてみた。
英介みたいに優しくすればよかった?
でも、どーしても明日香の視界に入り
たくて、からかうしかできなかった。
「・・・ガキ・・」
女となんて、何度も付き合ってきた。
・・・のに。
明日香となると、まるでわからない。
あんな女初めてだ。
どーすれば、笑うのか。
・・どーすれば、
「オレを、好きになってくれる・・?」
仲のいい友達が、
・・・・英介が、フラれれば・・
なんて。
考えてしまう自分に嫌気がさして、
オレは目をきつく閉じた。