お姫様と7人の王子様
「どんな夢を見たのか、お兄さんに話してくれませんか?」
柔らかな表情で言うビルさん。
そんな彼を見るだけで、私の心の中が少しだけあったかくなる気がした。
「私はアリスになれるのかな?」
頭の中で私が叫ぶ、あなたはアリスに相応しくないと。
「私はビルさん達の役に立っているのかな」
私はここに居ていいのかな……。
その言葉を呟いた瞬間、私の頬に生温かい感触があった。
涙か……私のほほから床に一滴の液体が落ちるとともに、私は自分が涙を流していることに気付いた。
「アリス様、知っていますか?」
それはいつも以上に優しい笑み、だけどそれは優しいというより、何か裏がありそうな笑顔だった。
「何ですか?」
「女の子の涙は反則ですよ」