お姫様と7人の王子様
「そうです……私は弱い……全く役に立たない女の子です」
私なんかよりもっと強い人なんて星の数程いる、だから私なんていなくてもいい。
「強い人が居て欲しいわけではないんですよ。あなたに居て欲しいです」
「私なんかが……」
そう言おうとした瞬間、私の頭を優しくなでた。
驚いて、ビルさんの顔を見ると、人差し指を自分の口元にあてた。
「魅力的な人ほど、自分の魅力に気付かないんですよ」
「……」
いつもの優しい頬笑みではなく真剣な表情で、私はそんな彼の視線に吸い込まれてしまいそうだった。
「だから、あなたはもう少し自分に自信を持ってください」
「そんなこと言われましても、私はあなた方の足をひっぱってばかりで……」
自信を持てと言われても、私はいつも二人に守られている。
そんな状況でそんな傲慢な思いなんて生まれなかった。
「知っていますか?あなたはいるだけでいいんですよ」
「?」
「あなたが私たちを信じてくれれば、私たちは誰よりも強くなれます」
「……」
その甘い声に頭の中がマヒしてしまうような感覚が現れる。
居てくれるだけでいいなんて、そんなセリフ自分が言われることがあるなんて思っていなかった。
「それでも、あなたが気にするなら、教えてください、あなたの事を役立たずといった人を、私が倒しますから」