【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙④〜
おっしゃって、ふ、と、お笑いになる一の君に、二の君は、その幼きかんばせを朱に染められて、

「……兄上……」

と、お言葉に詰まるご様子にございますのを、一の君は、かつてのご自身に重ねてご覧になって、

「お前は良いね、二の君……」

と、こうおっしゃるのでした。
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