すべては君のため。
律の好きな人できた宣言から
数日。



あれから律は
毎日のように
うちのクラスに来る。



…あたしに勉強を教えてもらうことを理由に…。


「夏〜!英語の宿題が、
全然分かんねぇ…。」


ほら、今日も来た。
あたしじゃなく、
あの子に会うために。



「うん。これは…「川島さん」


誰かがあたしの名前を呼ぶ。



「あ…斎藤君…」


同じ生徒会役員の


斎藤 遥-サイトウ ハルカ-君だった。



「今日、生徒会の仕事…」

…やばっ



「嘘!?あれ…今日だっけ!?
ゴメン!!すっかり忘れてた…」



「大丈夫。俺も今行くとこだし。
一緒に行こう?」


斎藤君…いい人っ!!



「うん!!一緒に行こ!!」



「ゴホンッ」


あ…律のこと忘れてた…


「律、ゴメンね?
生徒会の仕事やらなくちゃ
いけないから…
他の人に教えてもらって?」



「…うん…分かった。」


うわ…すっごい不機嫌。
そんなにあの子を見てたいのか…



少し胸がいたんだけど
気にしないことにした。



「じゃ…行こうか?川島さん。」



「うん。」



あたしと斎藤君は
教室をあとにした。
< 10 / 17 >

この作品をシェア

pagetop