すべては君のため。
生徒会の仕事は
プリントをまとめるだけの
簡単なものだったので
すぐに終わることが出来た。



「じゃ、解散。」


会長の言葉で
みんながいっせいに部屋から
出て行く。

あたしも立ち上がって
教室へ戻ろうとすると…



「川島さん。
教室まで一緒に行こう?」


「斎藤君…いいよ?」



あたしは斎藤君と生徒会室を出た。



「ねぇ?川島さん、質問があるんだけど…」


「なぁに?」


「葉山君と付き合ってるの?」


いきなりだった。

でもこの質問には慣れてる。
だって、律はモテるから。


いつも使っているセリフを言う。



「…あたしと律は
そんなんじゃないよ。
ただの幼なじみだよ?」


でも、慣れていても、
いつも、この言葉を言うたびに
泣きそうになる。
苦しくなる。



あたしはぐっとこらえて、
笑顔を作った。



「へぇ…」


斎藤君が少し笑った気がした。
< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop