だから…惚れてるんだってば!! 俺と先生の恋愛事情
「ごめん…ね…。」

目を真っ赤にして、そう言った。


こんな時にまで、大人になってんじゃねぇよ…。


直の手を繋いで、冷えた指に俺の指を絡めた。


コンビニで買った小さなビニール傘を、直に差しかけた。


これ以上、濡れてしまわない様に。


空から落ちてくる雨が、俺の左側を濡らしていく。


こんな冷たい雨に濡れてたんだ…。


「隆治の左側…濡れちゃったね…。」


耳をすまさないと聞こえてこない位の、ホントに小さい声で呟いた直に


「気にすんな。」


その言葉しか出なかったんだ…。


俺……スゲー小さい。



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