1/2 〜危険なベターハーフ〜
まざまざと
見せ付けられる、
自分の知らない領域。
俺には…
「…あのな、浅野が何も
知らないのは当たり前だ。
女の身体のことなんか、
男の俺達に簡単に解ってたまるか」
なぁ?と桜井が
美羽ちゃんに視線を落とす。
苦笑いを浮かべる
彼女の言葉を待たずに、
「俺にもまだまだ解らないことだらけだ。どこかが痛い時や悪い時の美羽の表情見るだけで、思考回路がめちゃくちゃになるんだから…」
桜井の瞳は柔らかかった。
「何も出来ないことや、
何もわからないことを
ちゃんと知ろうとする前に、
わからないって決めつけて
簡単に諦めんな」
穏やかなその瞳には
美羽ちゃんしか映っていない。
その仕草が総てだった。
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