世界の説明書
関心
夏の朝は思いのほか早くやってきた。待ちきれない太陽が、海からはみ出してきた。この頃になると浜辺はもう人でいっぱいだった。公園に行っても、どこにいっても人ばかり。だから、今日も僕は黄色い道を歩ていた。町は暑さのせいか人が少ない。ビルの間で一息し、排水路の上を歩く。ネクタイをいまだに締めている生真面目そうなサラリーマンが透明なカップに入ったアイスコーヒーを透明なストローで飲み干していた。黒い液体は青空に消えた。その瞬間、苔むした黒いパーカーがその男に何かを振りかけていった。
かけられた男は最高だった気分が、一瞬にして最悪の気分に襲われた。ばらばらになった昆虫の羽や、足や、リンプンや、酸味に効いた液体などが彼の味覚から全身に伝わった。
ネクタイの間に、灰色の巨大な蝶ネクタイを巻いた彼はそのまま、何かを振り払うように車道に飛び出した、そして、たまたまそこを通りかかった20トントラックに轢かれた。そのトラックにレッカーされていたピンクのキャデラックが男の上で余計なガスを食う言い訳を話していた。二郎はそんな事には気付きもしないで、一人あのマンションへと向かっていた。それを僕はずっと見ていた。ついていった。もちろん彼に。
夏の朝は思いのほか早くやってきた。待ちきれない太陽が、海からはみ出してきた。この頃になると浜辺はもう人でいっぱいだった。公園に行っても、どこにいっても人ばかり。だから、今日も僕は黄色い道を歩ていた。町は暑さのせいか人が少ない。ビルの間で一息し、排水路の上を歩く。ネクタイをいまだに締めている生真面目そうなサラリーマンが透明なカップに入ったアイスコーヒーを透明なストローで飲み干していた。黒い液体は青空に消えた。その瞬間、苔むした黒いパーカーがその男に何かを振りかけていった。
かけられた男は最高だった気分が、一瞬にして最悪の気分に襲われた。ばらばらになった昆虫の羽や、足や、リンプンや、酸味に効いた液体などが彼の味覚から全身に伝わった。
ネクタイの間に、灰色の巨大な蝶ネクタイを巻いた彼はそのまま、何かを振り払うように車道に飛び出した、そして、たまたまそこを通りかかった20トントラックに轢かれた。そのトラックにレッカーされていたピンクのキャデラックが男の上で余計なガスを食う言い訳を話していた。二郎はそんな事には気付きもしないで、一人あのマンションへと向かっていた。それを僕はずっと見ていた。ついていった。もちろん彼に。