世界の説明書
そう、二郎はこのセカイに変化を求めている。しかも急速に、急進的にだ。この大きな地球をぶっ壊すほどの核爆弾を持っていなければ、大地震を引き起こす呪いも知らない彼は、地球に住み着く一番卑しい生き物、人間の、人間が一番守りたい物を破壊する事によって、この地球、いや宇宙全体を破壊しようとしていた。奴らは自分より弱い者を見るのが大好きだ。そして強いものを嫌悪する。全くわがままで、無能で、糞の役にも立たない。そう、いつだって奴らは弱い者を助ける自分が好きなのだ。だから二郎はそれを破壊する事を決めた。彼女はこのセカイの弱者を繋ぐにがりのような物だ。しなびたウニの目をぴんと立たせる添加物だ。見栄えだけ重視し、中身を見ない愚者のお守りだ。それに対し、彼は徹底的に、精神も、肉体も、全て原型をとどめぬまでに破壊しつくすと決めた。そうすれば、この偽善だらけのセカイの軸が曲がり、形を失い、ゼロから全てが創られなおされる。浄化されたセカイでは、エゴに突き動かされる人間は消えうせ、人間が霊長類として本来持ちえる純粋な欲求のみを生きる糧として、くだらない事でもう心を痛める必要が無くなる。世間体、出世、金、戦争、そういった全ては腰抜けが作り上げた保身の事物として、不浄の物となる。