世界の説明書
狂気の新芽
最近の子供達はインターネット上で、親でも吐き気を催すような映像を平気で見たり、探したりしている。二郎もそういった画像や動画は、実際に世の中に実在するが自分の人生には全く関係のない、たんなる趣向品にしか思っていない人間の一人だった。名子より年は五つ上で、忙しい両親に育てられた寂しがりやで甘えん坊の一人っ子だった。体格は大きく十一歳にして既に百六十CM近くはあった。体の成長は心を変え、時として大人の様な卑猥な感情が徐々に出るようになっていた。あまり友達がいない二郎は、いつも放課後は一人自宅マンション前にある暗い公園で遊んでいた。彼の心にいつも輝いていたのは大好きなアニメキャラの黒髪の女の子で、世界中の人間臭い人間の女を嫌悪していた。小学校ではいつも少女漫画ばかり読んでいて、女子生徒には気持ち悪がられ、男子からはある意味で恐れられていた。それというのも、一年ぐらい前にクラスでいわゆる人気者の運動神経のいい、やんちゃなタイプのクラスメイトが、たまたま、二郎の漫画に給食のカレーの汁をつけてしまった事があった。クラスメイトが笑顔で悪い、悪いと謝ると、二郎は何も言わずその本を受け取った。そして給食時間も終わり五時間目が始まった矢先に、その事件は起こった。先生が教室に入ってくるなりいきなり二郎は自分の椅子を先ほどのクラスメイトの頭めがけて投げつけた。 カン という高い音がしたと思うと、赤い油がクラスメイトの頭から流れ落ちた。一瞬唖然とするクラスの中、彼は表情も変えずに座っていた。
最近の子供達はインターネット上で、親でも吐き気を催すような映像を平気で見たり、探したりしている。二郎もそういった画像や動画は、実際に世の中に実在するが自分の人生には全く関係のない、たんなる趣向品にしか思っていない人間の一人だった。名子より年は五つ上で、忙しい両親に育てられた寂しがりやで甘えん坊の一人っ子だった。体格は大きく十一歳にして既に百六十CM近くはあった。体の成長は心を変え、時として大人の様な卑猥な感情が徐々に出るようになっていた。あまり友達がいない二郎は、いつも放課後は一人自宅マンション前にある暗い公園で遊んでいた。彼の心にいつも輝いていたのは大好きなアニメキャラの黒髪の女の子で、世界中の人間臭い人間の女を嫌悪していた。小学校ではいつも少女漫画ばかり読んでいて、女子生徒には気持ち悪がられ、男子からはある意味で恐れられていた。それというのも、一年ぐらい前にクラスでいわゆる人気者の運動神経のいい、やんちゃなタイプのクラスメイトが、たまたま、二郎の漫画に給食のカレーの汁をつけてしまった事があった。クラスメイトが笑顔で悪い、悪いと謝ると、二郎は何も言わずその本を受け取った。そして給食時間も終わり五時間目が始まった矢先に、その事件は起こった。先生が教室に入ってくるなりいきなり二郎は自分の椅子を先ほどのクラスメイトの頭めがけて投げつけた。 カン という高い音がしたと思うと、赤い油がクラスメイトの頭から流れ落ちた。一瞬唖然とするクラスの中、彼は表情も変えずに座っていた。