いばら姫











―― 二階へと
外から直接入れる作りの階段
鉄製の、黒くて細い手摺りには
唐草と薔薇の装飾


部屋の中はモノトーンで
床は白と黒の市松模様
足の高い、白と銀のテーブルセット

ベット横の出窓の上には
ステンドグラスで出来た
小さなバラ窓があった



脱力して
ベットに座り込んだ俺の前のテーブルに
池上が、棚から降ろした救急箱



「うわ!暑いね〜
あ、
ちょっと
飲み物とか用意しますから待っててね 」


池上はテーブルの上の
クーラーのリモコンを押し
廊下に出るもうひとつのドアから
ノンビリと出て行く




――― 急激に涼しい風がやって来て
少し目眩

頭を下げて、暫く俯いていた








… 着信






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