いばら姫






真木が運転する車に乗り、地下を目指す



入口には
チェックポイントの白いボックス
中には制服を着た、
やはりビルの受付に居た様な
あまり、愛想の良く無い男

毛深い指で、
真木が出したパスを受け取り
緑の目で確認すると
低い声で " OK "と呟き

ブザーの音と一緒に
黄色と黒でカラーリングされた
長いスティック状のゲートが開いた





―― 薄暗いスロープを降り

このフロアだけで、何十台か置けそうな
かなり広い駐車場へと辿り着く

太い柱の間に、車は二台づつ
空きは殆ど無く
それを捜す様に、ゆっくりと走った


―― 通路にも、車の中にも、人影は無い


「…暗くて、あんまり判んねえな…」





『 …真木さん
地下空調、配電室
ここは、中で働いてる人に見て貰ってる

もし誰か居るのを見付けたら
メールくれるって 』


「…誰と連絡取ったんだ?!」


『…俺が
中学生の時に知り合ったネットの人 』



―― 真木の携帯が鳴る


すぐに出て、英語と日本語を交えて話し
すぐに切った


「 食品系やらの搬入口、倉庫は
ジョンさんの身内が強いから
総出で捜してくれた

―― 結果、異常ナシだ 」



真木は一周して
車内に人影が無いのを確認し
空きのある場所で、一旦停車した



「 降りて…、一台づつ捜すか? 」


『… 真木さん、岡田さん
あそこ見て
あっちも…監視カメラが在る

定点だから、死角部分だけなら
平気だろうけど

…もし見付かったら、
あっという間に何人も走り込んで来て
押さえ込まれるよ


…騒ぎになったら困るとか
きっとこの場の全員、
一切考えちゃ居ないのは判ってる

青山さんを見付けて、それから
―― アズの事を捜したい

だから…
ここで捕まる訳には行かない 』



灰谷の携帯のランプが
青く点滅する


―― 思わず息を飲んだ







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