最愛の人

目を開けると見覚えのない白い天井が一面に広がっていた。


「初美ちゃん!」


声がしたほうに視線を向けるとー…



「…し…んさん…?」


心配そうにあたしの顔を覗き込む秦さん、その後ろに健二さんもいた。



「大丈夫か?もう苦しくないか?」



コクンって頷くと安心したのか優しい笑みを浮かべながら優しく頭を撫でてくれて
それだけで凄く安心した。


「もう少し寝ろ」


その言葉を最後にあたしはまた意識を手放した。




次に目を開けると朝になっていた。

視線を動かすと椅子に座ってあたしを見ていた秦さんと目が合った。


「おはよう、初美ちゃん」


「おはようございます…」


「もう大丈夫そうだな。顔色もだいぶ良くなったし」



「あの…ここどこですか?あたしどうしてここに…」


最初に目を覚ましたときにも思ったけど、ここはあたしの家じゃない。



「ここは近くの病院だ。初美ちゃん…どこら辺まで覚えてる?」


病院…?
なんであたしが病院にいるの?


たしか早く家に帰ろうと着替えてバイト先を出たんだけど…
あれ?そのあとどうしたんだろ…?


「バイト先を出たのは覚えてます…」



「じゃぁ、その後から話をしようかー…」
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