君のすべてに愛を捧ぐ
「・・櫂ーーーー!!」「奏!!・・またかよ!!」
そう言いながら、俺は壁を思い切り殴る。壁はドォンと大きい音を鳴らす。・・今でもあの日が近づくと奏(かなで)が夢に出てくる。
あの日、俺が守ってやれなかった奏が初めて聞かせてくれた、か細くて今にも消えそうな声とともに・・。
「どうしてだよ、奏。アンタはどうしていつもいなくなる!!」
俺はアイツと小2で離れ離れになってしまった。神様、俺はアンタを一生恨むよ。俺と奏を離れ離れにさせたんだからな。
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