天使になれなかった。
『……おかえりなさい』
扉越しに聞こえてくる凛羽の声。
『最悪!!最低!!なんなのよ!!』
ヒステリックに叫ぶ女の人の声が聞こえた。
同時に床にカバンか何かが叩きつけられるような音がした。
『……振られたの?』
『ウザイウザイウザイ!!!!あのクソ上司!!!出すだけ出してポイ捨てかよ!!!』
『……落ち着きなよ』
『あいつのモノをこの口でくわえたって思うと吐き気がする!!』
金切り声のように甲高く鋭い叫び声が家中に響きわたる。
『あー!!超ムカつく!!!あの男まじ殺してやりたいわよ!!!』