不器用なLOVER
透弥さんに独占されたことが嬉しかった。

透弥さんの部屋で向かいあってる今も余韻に浸ってて

「聞いてるの?」

時々透弥さんの呆れた声が飛ぶ。

二人きりなのに透弥さんは上着を脱ぐことを許してくれないことが気になるけど。

広い部屋の中は、前に見たままで変わらず余分な物がない殺風景な感じだ。

映画のセットでももう少し生活感を出してる。

その瞬間ホラー映画のワンシーンが甦り、寒気が襲う。

思わず部屋を一周見渡し、

透弥さんの隣に座り直し擦り寄る

「何?寒いの?」

リモコンに伸ばした手を握った。

設定温度変えられちゃったら、
こんな風に近付けない。

勉強会にホラー映画見た挙げ句、思い出して怖いなんて言えない。

勉強に集中しよ。

そう思ってもエアコンの風でさ、小さく鳴る音にさえ過剰反応してしまう。

「…晶」

透弥さんにしっかり腕を絡ませる私に、

「何見たの?」

静かに聞いた。

ヤバイ誤魔化さなきゃ。

「あれそう言えば今日は眼鏡してないんだね?」

「勉強会じゃなかったの?」

バレてる。

反省の意思を込め上目使いで見る

「最初から分かってたから…。
怖いのだけならいいよ?」

首を傾げる。

「女の子の集まりだと、やっぱり見ないの?」

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