不器用なLOVER
転校して数日
ようやく少し話せるようになったクラスメート

とはいえ…、まだ挨拶程度の日常会話だけど…。

こんなに人見知りだったかな?

休み時間、
教室に戻ると、
誰も居なかった。

怪奇現象
いや、そんなはずは…。
一人突っ込み。

してる場合じゃない

ってまたあ

落ち着かなきゃ…。
次は、経済だから。
経済で移動教室…?
ってどこに?

とっとにかく、
移動しなきゃ

行く先も分からず
授業の準備をして教室を飛び出した。

廊下を走り、階段に向かう角を
曲がる…

ドン

「わあ…」

勢いよく何かにぶつかった。

ヤバイ、引っくり返る。

って思っていたのに、
一瞬強い力で背中を掬われた。

まだ動悸がする。

「…また君?
廊下は走るところじゃない。
小学生でも知ってる」

低く響く声に

見上げると、

予想通り、無表情でも
整った顔があった。

「ちっ…近い」

その意図不明の言葉に、

眼鏡を指先でクイッとあげる。

それさえも様になっていて

「急いでいたんじゃないの?」

その言葉に、
冷静になってみれば…。

彼の腕に抱きしめられてる

っていうより、抱きついてる
自分に気付き顔が熱くなる。

また別の動悸に襲われた。

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