人魚姫~A Mermaid Princess of victory~
“別に。これで貸し借りチャラな?”


“…”


“お前、歩けるか?”
“うん?”


“じゃあ家に寄ってけ。姉ちゃんに車出して貰うから”


“由莉奈先輩?”


“そう。ほら、カバンかせ。行くぞ?”


“…ありがとう”


俺は無意識に彼女の手を握っていた。



彼女は、`人魚姫´は、自分の正体には触れない気らしい。



ふと疑問に思ったことを口にした。


“ねぇ、なんでそんなに濡れてるの?”


“んっ…?

あぁ、今まで走ってたから”


“また自主練?”


“うん。最近タイムのびなくてね”


+ + + + + +


家に着くと、姉ちゃんが待っていた。


“詩音、久しぶり”


“お久しぶりです、由莉奈先輩”


姉ちゃんを見た瞬間、彼女は嬉しそうな顔をした。
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