ボーダーライン

「どうしてって……」

 そりゃあ普通に考えてダメだろう。

 俺は男で、真紀は女。

 何が起きるかわかったもんじゃない。

「他に頼る人がいないの」

「嘘つけ! お前なら友達とかいるだろ」

「いるよ。でも実家生ばっかりなんだもん」

 本当に困ったような表情をする真紀。

 だからって、なぜ俺の家なんだ。

「それに、良平なら彼女とかいないと思って」

 ……カチン。

「どういう意味だよ?」

「だって、良平カタいし」

「そうだけど」

「で、いないんでしょ? 実際」

 言い返しようがない。

 だって実際いないのだから。

 しかし、だ。

 一ヶ月も泊めるってことは、一ヶ月一緒に生活をするということだ。

 わかってんのかこいつ。


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