AEVE ENDING







その頃、食堂では。



(…あぁ、)

朝食を終えた雲雀がトレイを戻し、首を傾げているところだった。
だが、ただ傾げているわけではない。

思案げな顔は、そこに意識を置いてはいなかった。
じわりと薄く張った水が弧を描いて箱舟全体へと広がっていく―――。




  ··
(……彼ら、だ)

雲雀のセンサーに引っかかった、二つの見慣れぬ影。
それはぼんやりと造型を滲ませて、まるで綿人形のようだ。

彼らが纏う、不穏な空気がじっとりと箱舟の上空を覆っている。


(朝っぱらから、不粋だね)

まぁ、丁度いいか。

結局、北の島でも暴れることは叶わなかったし、腹ごなしには最度な運動だ。

ならば思う存分、暴れられる場所へ。

食堂中から注がれる惜しむ視線を受けながら、雲雀は食堂を後にした。






< 238 / 1,175 >

この作品をシェア

pagetop