AEVE ENDING
その頃、食堂では。
(…あぁ、)
朝食を終えた雲雀がトレイを戻し、首を傾げているところだった。
だが、ただ傾げているわけではない。
思案げな顔は、そこに意識を置いてはいなかった。
じわりと薄く張った水が弧を描いて箱舟全体へと広がっていく―――。
··
(……彼ら、だ)
雲雀のセンサーに引っかかった、二つの見慣れぬ影。
それはぼんやりと造型を滲ませて、まるで綿人形のようだ。
彼らが纏う、不穏な空気がじっとりと箱舟の上空を覆っている。
(朝っぱらから、不粋だね)
まぁ、丁度いいか。
結局、北の島でも暴れることは叶わなかったし、腹ごなしには最度な運動だ。
ならば思う存分、暴れられる場所へ。
食堂中から注がれる惜しむ視線を受けながら、雲雀は食堂を後にした。